恒星間航行用超弩級宇宙戦艦。型式名は「M-21991式第1種宇宙戦闘艦(戦艦)」[1]。艦名は大日本帝国海軍の戦艦大和に由来する。同型艦は無し。西暦2199年就役。2203年戦没。人類史上初の超光速宇宙船でもある。
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ガミラス帝国による発見を避けるため、遊星爆弾によって干上がった九州坊ケ崎沖の海底に露出した、1945年に戦没した戦艦「大和」の遺跡をカモフラージュにして改造、建造された。
元来は選ばれたわずかな人類と生命種を乗せ地球を脱出するための「ノアの箱舟」として建造されていた[2]。しかし、イスカンダルからのメッセージ飛来、及び波動エンジン設計図の入手を機に、地球脱出からイスカンダルへの航海へと計画は変更された。
国連宇宙局ヤマト計画本部兼地球防衛司令部の指揮下にあるが、地球との交信可能距離を脱した後の全指揮権は艦長一人に帰属する。
艦体解説
艦型
戦艦大和をベースとしたため、水上艦艇をそのまま宇宙に浮かべたような外観を有している。
艦体上部中央には上甲板からの高さが60メートル以上に達する巨大な司令塔がそびえ、頂上部には艦長専用居室、その直下には操艦、索敵、戦闘、通信、構造維持、生命維持、調査分析、機関操作と言った艦の全機能を、艦長以下各班の責任者が集中管理するための第一艦橋、さらに下に航路策定並びに航海管制に機能特化した第二艦橋(航海艦橋)が収まる。
司令塔真下の位置に艦底から突き出ている第三艦橋はメインブリッジである第一艦橋のバックアップのためのサブブリッジであり、内部設備は重力下環境で船体が横転したような状況を想定した、潜水艦発令所を模した上下対称構造になっている。
主砲を始めとする各種兵装は、艦体上部に集中している。[3] 兵装を備えない下部は重装甲で、七色星団のドメル艦隊の決戦時、ドメラーズ2世の接舷、自爆攻撃を受け、第三艦橋を失うも艦自体の航行は可能なほどの防御力を持つ。
大気圏内航行時に安定保持のため、左右両舷に収納式の巨大なデルタ翼型主翼を装備している。[4]は、尾部の3つある舵、姿勢制御翼と併用して用いる。また、着水[5]・潜水能力を有している。
波動エンジン
主機関には、イスカンダルより送られた設計図に基づき、急遽製造された、波動エンジンを装備している。波動エンジンによって、ワープ(空間跳躍)能力を備えることになり、長距離の恒星間航行が可能になった。また、波動エンジンが生み出すエネルギーによって、従来の地球製宇宙船とは一線を画した戦闘能力を得ることが出来た。
また、補助エンジンを2基装備する。これは副推進器であると同時に、主機である波動エンジンの始動にも使われる一種のセルモーター、スターターでもある。補助エンジンのみでも通常航行は可能だが、ワープはできない。
兵装
主要兵装は、艦隊決戦兵器である艦首波動砲、主・副三連装ショックカノン[6]、煙突ミサイル、艦首・艦尾ミサイル、舷側ミサイル、パルスレーザー砲など。武器ではないが、艦首部の両舷に各1基装備のロケットアンカーも、敵艦体に打ち込むなど攻撃に用いることができる。
波動砲は波動エンジンのエネルギーをそのまま利用するので、波動エンジンを始動していないと使えない。また、エネルギー充填に時間がかかり、充填中は他の兵装も使えなくなり無防備になってしまうという欠点がある。波動砲発射後は波動エンジンの出力がゼロになってしまうため、波動エンジン再始動のためのエネルギーを蓄えておく必要もある。その為、波動砲発射時には戦闘に不要とされる艦内照明や自動通路等は、全て停止させている。
波動砲以外の兵装は補助エンジン駆動のみで使用できるので、波動エンジンが使用できない状況でも戦闘可能である。
搭載機
艦尾艦底部にエレベーターを使用し立体的に格納することのできる格納庫がある。
艦尾のカタパルト(戦艦大和の水上機用カタパルトと同位置)からコスモ・ゼロ、艦底ハッチよりブラックタイガー(後にコスモタイガーIIに機種更新)戦闘攻撃隊を発進させることができる。
他に惑星探査用の中型機コスモハウンド、内火艇を兼ねた救命艇、上陸用舟艇、中型雷撃艇、修理艇、大気圏内外両用運搬船、各種探索艇、円盤型救命機(イスカンダルでのダイヤモンド大陸水没時に出動)など多数の機体を搭載する。さらにはバルーンダミーのような特殊な装備品をも常備している。
居住性能
もともと地球脱出用に設計されていたため、航海が長距離、長期間に及ぶことを想定し居住性は高い水準にある。艦内には人工重力が働き地上と同じく行動できる。この人工環境に乗員100余名が居住している。
艦長は艦橋頂上部の専用個室、各班の班長クラスの乗組員には専用個室が与えられているが(『宇宙戦艦ヤマト』第14話、第19話)が、一般の乗組員はいわゆるタコ部屋(『ヤマトIII』)暮らしである。直掩艦載機隊(ブラックタイガー隊)や空間騎兵隊などの戦闘員専用の居住ブロックは格納庫に隣接しており、緊急事態にも迅速に対応できるようになっている。
乗員福利施設として、士官食堂や自動配膳の一般食堂、ジムを備えた体育館、レクリエーション施設と精神医療施設を兼ねるイメージ投影ルームや冷凍睡眠装置、さらにスナックまである。大工場直上の居住ブロックに2階ぶち抜きの映画鑑賞室や男女別の大浴場も設定されていたが本編で描かれることはなかった。
生産設備
自前の艦内工場を備え、外部から原料・資材を調達する必要はあるが、艦体維持管理部品や艦載機を含めたミサイルなどの消耗系の兵器弾薬の生産能力を持つ。
食糧に関しても緑黄野菜を自給するヤマト農園で、ある程度は自給自足可能で、農園で生産する野菜や果物の他にも人造タンパク質から肉類も合成され、糖分などの栄養素も植物からとっている[9]閉鎖的な人工環境を作っていると言えるが、完全ではなく長期航海時には地球型惑星で生鮮食料品になる植物の採取を行うこともあった。
乗組員
『宇宙戦艦ヤマト』では総乗組員数は114名となっている。
対ガミラス戦役時のイスカンダル遠征における、生存者は67名、戦没者は47名。この設定は1977年公開の劇場版『宇宙戦艦ヤマト』ラストシーンに出された数値である。[10]
対彗星帝国戦役時の生存者は18名。[11]イスカンダル星、テレザート星両航海での戦没者の総数は96名。[12]
『宇宙戦艦ヤマト』第10話で、複数の女性乗組員の姿が見られるが、その後、女性乗組員が登場しないのは冷凍睡眠下にあるからと説明している。[13]その後は『ヤマトよ永遠に』での真田澪(サーシャ)まで、森雪以外の女性乗組員は登場しない。
『宇宙戦艦ヤマトIII』では、第2の地球探しという長期任務上、出航時には、京塚ミヤコ他10名程度の女性乗組員(看護士)を乗船させていたが、第8話のラストで、艦長の古代進は、星間戦争に巻き込まれる危険性が高まってきたという理由で、森雪以外の女性乗組員を早々に地球へと帰還させている。
艦内組織
艦内の基本的な組織として、艦長(不在の場合あり)以下、班[14]とその配下の科[15]により構成される。艦内での乗組員の隊員服は、各班によって6パターンの色分けがされている。
艦長 : 沖田十三
戦闘班 : 班長 古代進
砲術科(砲術班) : 砲術長(?では砲術補佐) 南部康雄:白地に赤矢印
飛行科(戦闘機隊/艦載機部隊/ブラックタイガー/コスモタイガーII隊) : リーダー 加藤三郎 : 黒地に黄矢印[16]
航海班 : 班長 島大介
操縦・航路探査・レーダー科 : 副操縦士(操鑑補佐) 太田健二郎:白地に緑矢印
通信班(科) : 班長 相原義一: 黄色地に黒矢印[17]
工作班(技術班): 班長 真田志郎 : 白地に青矢印
動力班(機関部): 班長 徳川彦左衛門(初代)・山崎奨(2代目): 白地に橙矢印
生活班 : 班長 森雪 : 黄色地に黒矢印
分析科
炊事科
医療・衛生科 ( 佐渡酒造は白衣に赤十字を着用し、看護士を務める乗組員も着用)
これらの基本設定が確定したのは『さらば宇宙戦艦ヤマト』以降である。[19] 『宇宙戦艦ヤマト』の初期と『宇宙戦艦ヤマトIII』[20]以外では、班長以外の乗組員の隊員服の首周り部分は白色である。
諸元
全長 265.8 m
全幅 34.6m
全高 77.0m
基準排水量 62,000t
乗員 114名
主機 波動エンジン×1基
補機 補助エンジン×2基
兵装 艦首波動砲(収束型)1門
主砲:48cm[46cm]三連装衝撃砲(ショックカノン)3基[21]
副砲:20cm[15cm]三連装衝撃砲(ショックカノン)2基[22]
煙突ミサイル[23]×8セル(再装填可)
艦首ミサイル(魚雷、迎撃ミサイル)[24]発射管×3門×2、後部同×3門×2
両舷側ミサイル発射管×16門[25]
連装パルスレーザー砲多数
4連装パルスレーザー砲多数
側面機雷投射機
波動爆雷投射機
[艦底部垂直投下爆雷][26]
艦載機 コスモ・ゼロ
ブラックタイガー後にコスモタイガーIIに機種更新
コスモハウンド
救命艇
上陸用舟艇
中型雷撃艇
修理艇
大気圏内外両用運搬船
各種探索艇
円盤型救命機(イスカンダルでのダイヤモンド大陸水没時に出動)
特殊装備 バルーンダミー 本艦のサイズデータについて
上記のデータは当時の製作会社オフィスアカデミーが公式資料集『宇宙戦艦ヤマト全記録集』を出版した際に固定されたもので、それ以前はヤマトの大きさに関しては、おおむね300メートル以上といった取り決めしかされていなかった。そのため『宇宙戦艦ヤマト』放映当時の設定資料を見ると、全長が263メートル、300メートル、330メートル等とかなり曖昧である。ベースとなった戦艦「大和」は、全長263メートルである。
さらに上記の諸元は現実的にシミュレーションした場合に矛盾が生じる。特に、以下の3点は制作者側も矛盾を承知の上での演出であり、設定書に矛盾点として明記されている。
設定されたサイズでは、艦載機は数機しか格納できない。
第一艦橋内部が、設定から導かれるサイズにくらべて広すぎる。
船の形からロケット型に絞られる艦尾の形状は、立体化すると矛盾が生じる。
建造後の改修・改装点
スカンダルへの航海時
アステロイドシップ計画
航海途上、敵の攻撃を受けながらも艦体修理を続けられるようにするため、真田志郎発案による、アステロイドシップ計画が採用された。これは小惑星に反重力感応器を打ち込んで、ヤマトに引き寄せて装着し擬装する(アステロイドシップ)とともに、攻撃を受けた場合、感応器を操作して小惑星群を艦体の周囲に回転させ(アステロイドリング)、敵のミサイルやレーザー砲を跳ね返そうというものだった。なおアステロイドシップとは、ヤマトの初期企画案に、小惑星(岩)にエンジンや武装や艦橋などを儀装し、そのまま船にしてしまうという奇抜なアイディアがあり[27]、その名残である。
空間磁力メッキ
光学兵器やエネルギー兵器を反射させる特殊な防御装備。真田発案による追加の装備。
対白色彗星帝国戦役時
西暦2201年の計画ではアンドロメダ同様、自動制御方式が導入されることになっていたが、無断出撃したため導入されずに終わる。その他の改良は、真田志郎、徳川彦左衛門の尽力により、計画通りに行われている。
タイムレーダー
艦首下部のバルバス・バウ付近に新たに装備。
主砲
改良が加えられ、射程距離が延伸されている。
波動エンジン
改造が施されコンパクトになり、空いたスペースを利用して中型雷撃艇を搭載した[28]。波動砲発射後のエネルギー回復力も強化された[29]。
これらが描写されているのは『宇宙戦艦ヤマト2』のみであり、『さらば宇宙戦艦ヤマト』では廃艦して記念艦にする予定だったこともあり、改良の描写も性能向上を思わせる描写も無い。出港後に真田技師長により、波動砲の収束率向上のための応急改造を行っている。
対暗黒星団帝国戦役時
西暦2202年、旧式化していたヤマトは大改装された。
側面と艦首上部、第二砲塔上面に錨マークと、各主砲の砲身に参戦章[30]のペイントが施されている。
波動エンジン
大幅にパワーアップ[31]。また、増幅装置「スーパーチャージャー」を備え、これにより連続ワープ(超長距離ワープ)の使用が可能となった。画面上での描画もそれ以前とは大きく異なり、青色の透過光を使用したスピード感のある画面効果となっている。
新波動砲
同時に波動砲の威力も格段に向上し、また短時間のインターバルをおいての連続発射が可能となり、波動砲発射室も改装を受けている。発射時の艦内電力供給停止措置も必要なくなった。(『宇宙戦艦ヤマトIII』以降は再び「波動砲」と呼ばれるようになる)。
主砲
エネルギーチャージ式からエネルギーカートリッジ式に改められ、威力・連射速度共に向上している(その威力は、数回の射撃で暗黒星団帝国の中間補給基地を殲滅した程である)。また、カートリッジ化に伴いオプション弾の使用が可能になる。
波動カートリッジ弾
カートリッジに波動エネルギーを充填した新型主砲弾。この装備は改装後の主砲でも攻撃を受け付けなかったゴルバ型機動要塞に対して非常に有効であった。
波動爆雷
波動エネルギーを充填した新型爆雷。後部甲板(第三砲塔とメインノズルの中間辺り)に専用発射管と共に搭載された。これは弾薬庫からベルトコンベア(設定画にはレールと記載)で運ばれてきた爆雷が、断続的に発射管にセットされる独特の構造となっている。こちらも波動カートリッジ弾同様、ゴルバ型機動要塞との戦闘の際に初めて使用されている。
全天球レーダー室
第二艦橋下部に全周囲モニターを用いた天体観測ラボを設置。以前装備されたタイムレーダーを撤去し、その跡にハッチを設け、高精度センサーである、三次元センサーが装備されている。
その他
大作戦室は拡大改装され、中央コンピューター室となった。また第二・第三艦橋内や主砲発射室、格納庫などの艦内も、大幅に内装がリニューアルされている[32]。
移住星探しの航海時
第2の地球を求めて出発した際、その任務に見合った改装が施されているが、画面を見る限り変更点は見受けられない。
コスモハウンド発進口
側面に追加される。
亜空間ソナー
応急改造で三次元センサー部に、センサーそのものに直付け。
ハイドロコスモジェン砲
上甲板(自動航法装置室)に取り付けを行っている。[33]
対ディンギル帝国戦役時
新たに射撃管制システムが装備された。それに伴い、第一艦橋上部に射撃管制用レーダーが追加、また第二艦橋側面にも指向性アンテナが設置されている。第二・第三艦橋内や主砲発射室、格納庫なども、再度内装がリニューアルされた。
対ハイパー放射ミサイル艦首ビーム砲
三次元センサーを一時的に取り外して設置している。
探査衛星発射用カプセルミサイル
前部上甲板に、探査衛星発射用カプセルミサイル[34]打ち上げランチャー(4連)も新設された。
コスモ三式弾
対空砲弾として用意されたが劇中では使用シーンはカットされている。[35]
『完結編』では錨マークは消され、主砲への参戦章(帯の数は3本から変更なし)のみのペイントとなっている。
『ヤマト完結編』以降の作品に登場したヤマト
『YAMATO2520』 - 第17代・18代YAMATO
シド・ミードによるデザイン。
『火聖旅団 ダナサイト999.9』
ラスト、アルカディア号などと共に登場したのみ。
『銀河鉄道999 エターナル・ファンタジー』
ラスト、アルカディア号やクイーンエメラルダス号と共に登場したのみ。
『松本零士999?Story of Galaxy Express 999?』(2000年 プレイステーション)
第7章に登場。イスカンダルでネオガミラスとの交戦に駆けつける。
『コスモウォーリアー零』(2001年 プレイステーション)
バトルアナライザーが探す伝説の宇宙戦艦ヤマトとして登場。
『新宇宙戦艦ヤマト』 - グレートヤマト
艦体が拡大され、武装も強化されている。
こぼれ話
1985年に海底調査により、実際の沈没した大和の状態は、艦体が二つに破断し、主砲塔も艦体から分離し、艦橋付近は粉々になっていたため、アニメ第1作の大和登場シーン(左に大きく傾いてはいるが、比較的原形をとどめていた)は有り得ないことがわかった。この事実を知ったときプロデューサーの西崎義展はがっかりしたという。